LUXMANにオーバーホールを2001/11に依頼したばかりです。
年代の割にはまだまだ現役でメインアンプで使用中。
<特徴>
ALPINE/LUXMAN LV-105
STEREO INTEGRATED AMPLIFIERラックスが1984年に,ALPINE/LUXMANブランドで発売したプリメインアンプ。ラックスとアルプス電気が共同で
「Brid」の名のもとに,真空管とFETのハイブリッドというユニークな方式で開発したアンプとして話題になりました。
力強さはさほどでもありませんでしたが、繊細で温かい音が高く評価されていました。
私はこのデザインがとても好きで就職仕立てのころ欲しかった一品です。
LV-105の最大の特徴は何といっても半導体であるFETと真空管を組み合わせた回路構成にありました。
FETと真空管という一見違っているようで,実は同じ電圧制御素子であることを利用したユニークな方式でした。
「Bridサーキッ ト」と名付けられたこの方式は,ドライバー段に真空管を活用し,出力段にMOS FETを採用して
それぞれの利点を生 かそうとするものでした。真空管は,音楽ソースが立ち上げる電圧変化でバキューム空間を走る
電子流をコントロール できるため,音楽のニュアンスをより伝えやすいと言われています。しかし,ハイパワー化が
難しいという弱点を持って います。そこで,よりハイパワー化が可能な半導体のうち,同じ電圧制御素子で,
しかもスイッチングスピードの速い, MOS FETを出力段に採用するという実にユニークな回路構成でした。
コントロール信号に電流ファクターが入り込まないことは,電流歪みが発生せず,各増幅段の間でのインピーダンスの
相関値が完全に遮断されるためスピーカーか らの逆起電力や誘導性インピーダンスに起因して
起こる干渉を抑えることができるという利点ももたらしました。
LV-105では,初段にFET,プリ・ドライバ段に3極管,終段にMOS FETをそれぞれ搭載した独創的な出力段により
105W+105W(6Ω)の出力を得ていました。また,横向きに寝かして搭載された真空管がフロントパネルの窓から
見えるようになっており,その明かりが温かさを感じさせ,実にかっこ良いです。
LV-105の2つ目の特徴は,「S.T.A.Rサーキット」でした。これは,「Signal Transit for Accurate Response」
の略で,各増幅段へ送り込む給電ラインやアースラインをあえて共有化せず,各ステージへダイレクトに供給するように
したもので,各回路の共有インピーダンスが徹底的に排除され,音の透明さが増したということでした。LV-105では,
この考え方を電源回路からさらに信号経路にまで拡大し,各入力信号の共有部分として扱われやすい信号系アースラ
インを,アンプステージの増幅基準点まで単独化し,基準点から各回路ブロックと信号経路へ直接ラインを引くことで,
スムーズな信号の流れを実現し,干渉歪みの低減とSN比の改善がなされていました。
機能的には,AV対応端子を備え,映像・音声の再生グレードを引き上げるために,高性能ビデオバッファアーアンプを
搭載し,音声・映像のハイクオリティなダビングを可能にしていました。また,PHONO入力は,MM/MCの両方に対
応したイコライザーを搭載していました。
以上のように,LV-105は新旧の合体したまさに「ハイブリッド」なアンプでした。真空管を覗かせたデザインはこの年
のグッドデザイン賞を受賞した優れたデザインでもありました。音,デザイン共に非常に印象的なアンプだったと思いま
す。
定格出力 | 105W+105W(6Ω,20Hz〜20kHz) |
全高調波歪率 | 0.008%以下(6Ω,1kHz) |
周波数特性 | 1Hz〜200kHz(−3dB以内) |
入力感度・インピーダンス | PHONO(MM) 2.5mV・47kΩ PHONO(MC) 125μV・100Ω CD,TUNER,AV/AUX 150mV・40kΩ |
S/N比 | PHONO(MM) 90dB(Aカーブ補正) PHONO(MC) 70dB(Aカーブ補正) CD,TUNER,AV/AUX 110dB(Aカーブ補正) |
AV入力端子 | 3系統 |
AVダビング機能 | AV2→AV1 |
電源 | AC100V 50/60Hz |
外形寸法 | 438W×148H×346Dmm |
重量 | 10.6kg |